奥沢すばる動物病院のブログ

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ペットの出産への備え②妊娠〜出産まで

②妊娠〜出産まで

 

subaru-ah.hateblo.jp

 

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妊娠後期

犬の妊娠期間は58〜65日と言われます。

期間に幅があるのは、交配のタイミングと実際にお腹の中で受精が成立するまでにタイムラグが生じる事が往々にしてあるためです。

(例えば交配日から5日後に受精が生じる事もあり得ます。交配日≠排卵日です)

 

前述のように正確な排卵を測定していると、そこから64±1日で出産となるためかなり正確に予測を立てる事ができます。

また正確な交配日が分からないでも以下の方法で出産前にその兆候を予測することは可能です。

・体温測定

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※体温低下が始まる(37.5℃以下が目安)

 →24時間以内に分娩(出産)が開始

 ※体温低下が下限(36.5℃〜37.0℃くらい)

 →12時間以内に分娩(出産)が開始

 

・レントゲン検査

  胎児の歯形成=分娩4日前に完成

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・超音波検査

  胎嚢や胎児頭頂骨計などから算出→分娩日を予測:正確性は70%程度

 

・血清プロジェステロン濃度の測定
  プロジェステロン値が低下→24時間以内に分娩(出産)が開始

この内、最も信頼できるのはになります。

しかしながら外注検査だと測定後の結果が返ってくるまで数日かかることもあり、一般的にはを頼りにして出産に備えていくことになります。

 

【出産前の流れポイント】

①交配後30日くらい

 妊娠成立の確認。腹部超音波検査にて確認することができます。

②交配後55日くらい

 胎児サイズ、胎児頭数の正確な確認のためレントゲン撮影を実施します。

 同時に母犬の骨盤径なども確認します。

 (難産の予測のため)

③交配後58日前後から

 1日3回の体温測定。体温の低下が見られた際には必ず複数回測定し直して確認を。

 繰り返しになりますが、体温低下を認め始めてから24時間以内に分娩を迎えることが多いです。

 

出産前の準備(道具など)

出産までには以下のものを用意できると良いでしょう。

・出産用の入れ物や部屋 

:母犬が巣作り行動を取る際に、安心できる場所があると良いです。

少し明かりが控えめで、あまり広くない所が好まれます。

また冬の出産は寒さが大敵なのでしっかりと温めてあげるようにしましょう。

湯たんぽをタオルに包むことや、遠赤外線ランプの使用などは比較的安全に温められます。

出産前に急ごしらえするのではなく、事前に準備をしておきましょう。

・清潔なタオル

:仔犬を取り上げることも往々にしてあります。

その際に必要となるため、ハンドタオルを複数枚用意しておくと良いでしょう。

・へその緒を縛る+切る道具

:取り上げた仔犬のへその緒を母犬が噛みちぎれない時は

①仔犬のへそから上に5mm〜10mmくらいのところで糸で縛る

②その上を切断します。

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糸は滑らなければなんでもOKですが、タコ糸の様なものが扱いやすいです。

切断は通常のハサミでもカッターの様なナイフ状のものでも構いませんが、切断前に一度アルコールなどを用いて刃先を消毒しておきましょう。

この部分の切断で仔犬には全く痛みはないので、ためらわずにしっかりと切断してください。

数日でこの様にへその緒は乾いて、いずれ脱落します。

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・仔犬の体重測定用の秤

:犬種にもよりますが、小さければ数十gで生まれてくる仔犬たち。

1頭ごとの正確な重さを記録することはとても重要です。

キッチン用の秤で十分ですが目安として数g〜2000gくらいまでを正確に計れれば。

 

・リボンなどの目印

:複数頭の出産になる時、毛柄が似ている仔など一目で見分けがつかないこともあります。

そんな時には足首などに目印となる様に色違いのリボンなどをつけておくと分かりやすくて良いです。

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③以降に続きます。