奥沢すばる動物病院のブログ

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ペットの出産への備え①発情〜妊娠まで

寒さも本格化して体の芯まで冷えてきますね☃️ 

冬の到来、体調面には十分に気をつけたいものです。

先日、私もインフルエンザの予防接種を受けてきました。

これで今年は罹らないと良いのですが…。

 

さて先月くらいから何件か出産に関わる事が立て続きました。

出産はとても気の張る案件です。

母犬(猫)はもちろんのこと、見守る家族も何日も気が張って、疲れて、ときには体調崩して、、、

なんてこともあり得ます。

でも同時にとてもハッピーなイベントでもありますよね😊

生まれたばかりの仔犬(猫)が少しずつ大きくなっていくのを見守る事はこの時だけの素敵な家族の思い出になります🐶

 

犬の出産にさしあたり、出産までのおおまかな流れやその時に必要となることなどをまとめておこうと思いました。

最近はインターネットなどで簡単に情報が入ることもできる反面、すごくきちんと書いてある様に見えても、実際には内容に少し間違いや違和感を感じる事も多々ありますので。

 

少し長くなりますが、軽い読み物と思ってご覧下さい。

 

【妊娠〜出産までのおおまかな流れ:犬編】

①発情〜妊娠まで

 

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メス犬では一定のサイクルで子供を産むための準備が整っていきます。

("発情周期"と言います。間隔は個体差あり。多くが6-10ヶ月周期)

最初は”発情前期”と呼ばれる時期になります。

この時期になると陰部より出血を認めるようになります。

(いわゆる"生理"、"ヒート"と呼ばれます)  

この出血、正しくは"発情出血"と呼ばれ、子宮内膜の肥厚・充血によるものです。

出血の持続期間は平均20日程度ですが個体差は大きく、早いと7日程度、長いと30日以上になることもあります。

発情前期そのものの持続期間は平均8日程度です。

また発情出血から平均11.7日後に排卵が生じます。

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犬の繁殖サイクル

 排卵前後の期間がいわゆる"発情期"とよばれ妊娠が成立する期間になります。

この期間に入るとメス犬はオス犬を許容するようになります。

一般的に交配に最適なタイミングというのはメス犬がオス犬を許容するようになってからの約7日間になります。

この間に卵子は卵巣から未熟な状態で子宮内に放出され(排卵)、その後60時間ほどで成熟卵子となります(卵成熟)

もっとも妊娠しやすいのはこの卵成熟のタイミングで交配が成立する事です。

発情期の開始から排卵までは個体差が大きく、交配が成立しないケースでは排卵日予測がズレている事も多いです。

正確な交配のタイミングは

・膣スメア検査

・血清プロジェステロン濃度の測定

によって排卵日を予測する事で概ね導けます。

 

血清プロジェステロン濃度について

排卵になると体の中で急激にプロジェステロンというホルモンの数値が上昇してきます。

一定の数値を超えるところが排卵と考えられるため、正確に排卵日予測を立てることが可能となります。

 

(追記) 

ヒート中の体調不良について

ヒートの時期にはホルモンバランスが崩れるために、体調面で不調を生じる個体もいます。

食欲不振、消化器症状(軟便、嘔吐など)、元気がないなどが認められやすいです。

症状の程度に応じて病院に相談してください。

 

 ◎偽妊娠について

ヒートの出血が終わってからおおよそ40−50日前後になると、巣作りのような行動や乳汁分泌など、妊娠期に似た症状を示します。

これはいわゆる"偽妊娠"と呼ばれる兆候ですが、通常でも犬では排卵後の卵胞で黄体が形成され(排卵20日前後で退縮)、妊娠していなくてもしばらく黄体ホルモン(本来は妊娠ホルモン)をつくるために生じる現象です。

よく”想像妊娠”などと言われてしまいますが、想像力から妊娠した様になるわけではなくホルモンのバランスによる症状の一環です。

 

人工授精について

様々な理由から妊娠しづらい動物の場合、人工授精によって妊娠へと導くこともできます。

実施可能な施設は限りがあるかと思われますので、まずはお近くの獣医さんでご相談ください。

 

母体の栄養について

妊娠期間中、母体には大きな負担がかかります。

胎児数が多い場合など、母体の食欲不振や体重減少が著しい場合もあります。

必要に応じて食べやすいフード(柔らかいものなど)に切り替えるなどの工夫が必要になります。

ここはご家族の協力が非常に大事なポイントです。

 

②以降に続きます。