奥沢すばる動物病院のブログ

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救命救急セミナー RECOVER

 2月になりました。今年は本当に冷え込みがきつく感じます。幸いインフルエンザはまだ我が家には訪ねてこないようなので、このまま今年は出会う事なく健康に過ごせればと思います。

 

先日のブログにも書かせもらいましたが1月31日、ファームプレス社主催のRECOVER CPR講習に参加してきました。

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(Dr.Fletcher、ならびに錚々たる救急の先生方が講師でした)

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(犬の模型を用いての実習ですが精巧なモデルで、心拍数・脈圧・呼吸まで確認できます。それをプログラミングで実際に起こり得る救急シミュレーションを作り、適切な治療に導けないと蘇生達成できずとなります。まさに現場さながらの臨場感でした)

 

 RECOVERというのはVECCS(獣医救命救急医療学会)、ACVECC (米国獣医救命救急医療専門学会)の合同で作成された、世界で初めての動物のための救命救急治療ガイドラインになります。

今までは各々の獣医師がそれぞれの判断を元に一生懸命に命の瀬戸際と戦ってきていましたが、それでも一度心肺停止に陥った状態の動物を引き戻すことは非常に難しく、施設間での差もありますが概ね蘇生率は5%程度でした。人の救命医療でも過去には同様にやはり6%前後の蘇生率であったものが、ガイドライン制定後は劇的に蘇生率が上昇した経緯があります。RECOVERの狙いはそこにあり、統一した方法を使いこなす事で一定水準以上の効果を求めるものになります。

今回のセミナーは世界で初めて米国以外の獣医師に講師資格を与えるとともに、我々一般の臨床医も認定資格を受ける機会が設けられました。

 

実際に講習を経て感じたのは、

ガイドラインを使いこなすことができれば判断の迅速さが格段に上がる事

・医療にあたるチームが同じ方向に瞬時に足並みが揃うことができるためスムーズに処置を運ぶことができる事

の2点で、これはいままでの獣医療での救命救急と大きく異なる点かと思います。

動物たちが命の瀬戸際となる時、どの状況も全て異なり1つとして同じ状況は産まれないものです。ただ、その中でも生死のボーダーライン上で我々が行うべき治療には一定の方向があり、それを遂行することが結果として救命率の上昇に繋がるのであればこれを習得するのは必須かと思います。講習を通じて今の自分に足りない部分も明確に見えたので、今後もしっかりと精進していこうと思います。

 実習の終わりには認定試験もあり、結果はまだなので合否は不明ですが。。。ただ、それ以上に収穫したものが多い実習でした。

少しでも救える命を増やすため、この取り組みがこれから徐々に日本全国へと浸透していけばいいと願っています。

院長